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Remarkable Creatures

0007311222Remarkable Creatures
Tracy Chevalier
Harper Collins Omes 2010-04-01

by G-Tools


舞台は19世紀初頭のイギリス南岸の港町Lyme Regis
主人公は二人の女性。一人は最近この町に妹たちとロンドンから移り住んで来た中流階級の独身女性 Elizabeth Philpot。
もう一人はこの浜辺の町で生まれ育った労働者階級の少女 Mary Anning。20歳ほど年も社会階級も違うけれど、最初から二人はある共通の情熱でつながりました。それは浜辺で眠っている古代の化石。

実在する女性たちをモデルにGril with a peal earringの作者Tracy Chevalierがまたしても、ある時代のある町の小さな世界を見事に描き出してくれました。
読後はとても質の良い、美しい映像で描き出された映画でも堪能した気分。
19世紀初頭の時代、女性が職業を持つことはもちろんアカデミックな場で活躍するなんてありえなかった時代のお話です。

またこの時代はというと、ダーウィン以前。地球は大体6000年くらい前に作られた、聖書の言うとおり神が7日間ですべてを創造した、というのが誰もが信じるところでした。
誰も見たことも聞いたこともない生物が化石となってよみがえるというのは、過去に絶滅した生物がいるということ、すなわち全知全能の神も死に絶えるような生物を創造するという間違いを犯したという危険な思想につながるわけ。
そういう時代のキリスト教的なジレンマもよく描かれていました。

Mary Anningが発掘した化石の写真や小説の背景は作者のウェブサイトで読めます。これは読書中とても参考になりました。

ちなみにこのLyme Regisという海辺のリゾート地、Jane Austenも1804年に訪れているそう。
彼女の小説内でもPersuasionにこの地が出てくるのです。ElizabethとJane Austenが実は町の社交場で同席していた可能性があるという逸話も興味深いところ。まさに同時代の女性だったんだ~と。


Jane Austen時代のイギリス階級社会の枠を超えた二人の女性の友情物語でもあり、最後のシーンはジーンと感動。とりたて化石に興味がなくても十分楽しめる作品です。逆に化石の魅力が分かるような気さえしてきます。
これでTracy Chevalierの作品は前作のBurning Bright を除いて全部読んだことに。
0452289076Burning Bright: A Novel
Tracy Chevalier
Plume 2008-02-26

by G-Tools


全作品読んでる作家なんて珍しいのでいずれ全部制覇したいな。個人的にはこの人の描く静かな世界がとても好きです。静かだけど、でも抑圧され地位も低かった時代の女性が結婚という手段に頼らずにも精神的に自立していく(いこうとする)生き方、静かにだけど情熱を持ち続ける生き方に尊敬の念を持ちました。
そういう意味では、時代は似通っていても、お金持ちの男性とうまく結ばれ将来安泰が約束され、ハッピーエンドがすべてのJane Austenとはかなり趣向の異なる内容だな。。でもAusten自身は生涯独身だったわけで、この時代の女性が結婚にこぎつけるのってそんなにに大変だったのかと逆によく分かったような気もします。
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