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The Queen's Fool

The Queen's Fool (Boleyn)
主人公はユダヤ人の少女Hannah。スペインの宗教迫害で母親を殺され、父親とイギリスへ逃亡してきた後、親子で書店を経営している。

Hannahには予知のようなことができる不思議な力があり、それをたまたま見初められ、王室へ勤めることになります。Fool とはおそらく道化師と訳されるのでしょうか。ただHannahの場合は、面白いことをして人々を笑わせるコメディアンの役ではなく、女王のそばについて話し相手のような役割りをはたしていきます。

メアリー1世は敬虔なカトリック信者で、父ヘンリー8世、つづいて弟のエドワード亡きあと、イギリスにカトリックを復活させます。プロテスタント信者の迫害を厳しくし、ブラディーメアリーとあだ名されたほど、どちらかというと歴史上は冷酷な女王として知られるメアリーです。今まで読んだ本、見た映画でやっぱりメアリーの役どころは嫉妬深い意地悪な女王ばかりなので、そういうイメージしかなかったのですが、主人公Hannahの目を通しては悲運な運命のもとに育った、不運な女王に見えてきました。

たしかに母親は、父の愛人のために離婚され、一人悲しく病に倒れ、メアリーは母の死に目にさえ会えませんでした。
エリザベスは腹違いの妹ですが、愛憎まじった思いを抱いて接していたのです。

30代後半で20代の若々しいスペイン王フィリップと政略結婚するも、それも長続きしません。

想像妊娠を2回も繰り返し、ついには病魔に負けてしまいます。
夫のフィリップに恋焦がれるも、王は結婚後2年もたたないまま、イギリスを離れて、その後メアリーが死の床にあろうとも妻に会いにこなかったのです。

メアリーの30代ごろの肖像画を見ると、たしかに少々神経質そうな口元、全体に漂う雰囲気にその人生が滲み出ているような気がするのは私だけでしょうか。
この小説を読んだ後は、その生涯を思うと少し悲しい気持ちになりました。

一方、この小説ではエリザベスは野心深く狡猾な、若くて美しいプリンセスとして描かれています。
前回読んだ小説はまったくエリザベスを中心に据えた話で、今回はメアリー中心で、同じ史実を違う角度から眺めた感じでなかなか面白い体験でした。

メアリーの政権のもとでは暗い時代をすごしていた国民がいかにエリザベスの即位を待ちかねていたことかはっきりと明暗が分かれている感じでした。


そもそも、歴史上の人物がいきいきと会話をしているという、歴史フィクション自体興味深い体験だと思うのです。どれも想像の域を超えないのはわかっているけれど。

小説内では同時に少女Hannahaが大人の女性へと成長していく過程も織り込まれています。
この時代に、夫の従属物にはなりたくないと自立心を持った少女が、真の愛を見つけていくまでを
小説の最後まで追っていくことになりました。

あ~、これも長かった!
でも少しずつチューダー朝に慣れてるので勢いで次もこの作者を読むつもり。
控えている ”The Other Boleyn Gril” 「邦題:ブーリン家の姉妹」 はさらに長編なので、気合入れて読むぞ!
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うぉ!

こんばんは(*´∇`*)
こちらのPBをAmazonでチェックしていたのですが、
自分に読めるかなぁとまだまだ不安があったので
注文しないまま、タイトルだけメモっています。
うーん、しかし記事を読ませていただくととても興味
が沸いてくるのです。
どうしよう・・・。迷ってます(笑)

雫さん

おお!雫さん、チェック済みでしたか。さすが!
今 The Other Boleyn Girl を読んでます。こちらの方が長いけど、映画もあるしとっつきやすいかもしれないですよ。(まだ読み終わってないですが)

歴史ものって、確かにちょっと手ごわいと感じてます。普通の小説より読むのになんだか時間がかかるし、パワーも必要な気が・・・。
でも読み終わると妙な満足感と、知的好奇心が刺激されるのかもっと知りたいという気持ちがムクムク湧いてくる。不思議なもんです。
歴史フィクション友ができると嬉しいです。いつかぜひ・・・!
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  • Author:Hazel
  • カナダ発 気ままな読書日記です。
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