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Never Let Me Go

0307276473Never Let Me Go
Kazuo Ishiguro
Vintage 2006-01-01

by G-Tools

カズオ イシグロの作品を読むのは"The Remains of the Day"に続いて2作目です。

Kathyという女性の一人称で語られるこの作品、Halishamという名の平和な寄宿学校で育つ少年少女たちのストーリーから始まります。
でも、読んでいる途中で読者は私たちの知っている世界とは微妙なズレを感じて落ち着かなくなります。

設定としては、近未来小説的であるし、似たようなテーマの小説や映画はいくらでもあると思います。でも普通のSFと異なるのはその詳細な心理描写。子供の頃の友達関係とか、人間関係でありがちなことを事細かに綴ってあるのです。傷つく言葉、知られたくない秘密、思い違い。
誰もが生きていれば、心の中に通りすぎる心理状況のあれこれ。

そうやって私たちと同じように迷ったり、悩んだりしながら生きている若者たちは普通の人間と全く変わりないはずなのに。彼らの運命を知り、倫理的な問いに立ち向かわざるをえなくなるように作品は作られてあります。

読後はやるせない、哀しい思いが残りました。
しばらく活字離れしていましたが、久しぶりに本を読む楽しさを味わえた作品です。
この日本語訳の表紙、なかなかよいですね。
ストーリーの中では、あるカセットテープが重要なアイテムでもありますから。
4152087196わたしを離さないで
カズオ イシグロ
早川書房 2006-04-22

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一年前にこの本を読みました。とても不思議な話ですよね。でも、かぎりなく現実に起きていることに近い、とても重要な問題提起をしているようにかんじました。かといって、声をあげることなく、あくまでも淡々と、静かにストーリーは進んでいくんですよね。こちらの新聞、ガーディアン紙のブッククラブで、この本が取り上げられていましたが、いろんな感想が読めて面白かったです。この本、読む人の好み、考え方、生き方によって、いろんな捉え方が出てくるように思いました。

michiさん

以前、michiさんも読まれたと聞いて、ずっと読んでみたかった本でした。
おっしゃるとおり、押し付けがましい問題提起ではないにしろ、読者それぞれが深く考えざるを得ない作りですよね。
将来こんなことが起こってもおかしくないような気さえします。人はどこから臓器が来たか、ということには静かに目を閉じる。誰も語らない。こんな風にかかれていたような気がしますが、
そんな現実ってありそうで。
こういう本ってブッククラブで取り上げるといろんな議論が交わせそうですよね。
私も色んな人の感想を聞いてみたいと思いました。
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  • カナダ発 気ままな読書日記です。
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