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日本語と外国語

4004301017日本語と外国語
鈴木 孝夫
岩波書店 1990-01

by G-Tools

りんごは日本では赤色と決まっているけれど、緑という文化もある。虹は7色、それとも6色?身近な物に対する色の認知の違いをとりあげ、言語の裏に潜む世界に焦点をあてます。

辞書をひきながら高尚な外国文学作品を読んだり、学問のため様々な文献を読んだとしてもその背景にある言語文化を知ることはできないのではないか。

著者のこの見解にふーむ、やっぱりそうか、そうだよね。
そもそも同じ言葉を共有する人々はその背景の文化とか社会的慣習は暗黙のルールとしてすでに持ち合わせているのです。だからいちいち説明が要らないわけです。

「外国語の本を読んで、その意味が正しく分かるためには、そこに書かれていないこと、その本が成立する文化的な前提を知らなければ駄目だ。本に書いてあることは、そこに書いてないこととの対比で、初めて意味をなすのだ。」

特にこういう文化背景は無自覚に感じている部分が大きいので、自分で意識して違いを感じていくしかないのでしょうね。
やっぱり丁寧に時間をかけて、子供の本ももっとたくさん読もうかな...なんて思ったり。それから以前もちょっと書いたけれど、テレビでも映画でもえり好みせず何でも大量に見る、という姿勢も必要かな。
でも、言語文化の違いを感じるには自分の意識を研ぎ澄ますことも必要なようです。

「外国語を正しく理解するためには自分の国の文化および言語習慣に引きずられて解釈しないように、絶えず気をくばることが何よりも大切な心構え」だそうですから。

後半の日本語の漢字の使い方に関する様々な利点はすでに読み聞きしたことがあることでしたが、あらためて考えさせられました。
また、カタカナ語の氾濫にいたっては、日本語はダサいと思う若者の劣等意識が後押ししている、なんていうのも。
これは本書が出版された1990年の話なので、今は少し事情も違うような気もするけれど、どうなのかしら。

私が気に入って見ている、NHKの番組Cool Japanじゃないけれど、和のものがカッコいい時代になってきてるんじゃないかなーと希望を抱いたり。これは私が海外に住んでいるから感じることなのかな。
関係ないですが、最近こっちの映画館で、上映前のコマーシャルに完全に日本版のCMが混ざっていて驚いたことがあります。「某カメラ製造元のデジタルプリンター」です。字幕も何もなく丸ごと日本のCMですよ!!
これからは日本語を出すとカッコ悪いんじゃなくCOOLである時代じゃないのかな。日本のカタカナ文化にも影響があるといいですね。


「人間はことばで世界をどう把握するのか」に一番関心があると著者は冒頭で語っていますが、私も同じように思います。

最後に。ねえねえ、そのTシャツ何色だと思う?と隣にいる旦那に聞いてみました。

私「グレー」

夫「ブルー!」

もしかして違う世界に住んでいるのか、わたしたち...。
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おもしろかったです!!

新書って(完全な食わず嫌いですが)自分じゃ読まないので、Hazelさんの記事で知れてうれしいです☆ 

大学時代、言語や認知を専門に勉強したのですが、こういう「文化の中での言語」という切り口ではなかったです。こっちのほうが数倍興味深いですね!

日本語のカタカナ文化・・・たしかに、ふつうはカタカナで表記しないことをカタカナにするってあります。もちろん賛否両論あるでしょうが、「賛」の方を挙げるとすると、カタカナにすることで出るニュアンスっていうのもある気がします。そういう柔軟性というか、漢字・ひらがな・カタカナどれでも表現できるという自由さ、みたいなのも日本語の良さの一つかなーと。

 他言語を知ることは、同時に自分たちの言語に対する感覚もあらたにしてくれますよね。
 とっても興味深い記事をありがとうございました!

★すぬさん

ありがとうございます。他に「ことばと文化」というのも読む予定にしてますから報告しますね!

>他言語を知ることは、同時に自分たちの言語に対する感覚もあらたにしてくれますよね。

そうそう、私は日本を離れてようやく身に染みて日本語の美しさとか漢字の利点とかに気づくようになりました。

ニュアンスを出すためとか、変化をつけるために日本語の単語にカタカナを使うことに関しては、私も賛成です。でも英語の単語をそのままカタカナ読みしているのはたまに驚くことがありますね。

言語と文化、密着な関係があることにますます面白味を感じています。
本を読むと色んな方面に興味が広がるのは本当ですよね。
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  • Author:Hazel
  • カナダ発 気ままな読書日記です。
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