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角田光代

角田光代の小説に出てくる女たちにイライラさせられる。
先回りして相手の気持ちを勝手に想像しては気持ちを揺らつかせ、人と自分を比べてはいじいじし、自分は自分と言いながら、他人の行動が気になって気になって仕方がなく、そのくせ自分がよければそれでいいとしか思えない身勝手さで人を傷つける。
でもそうやって、小説の彼女達にうんざりさせられながらも、話の展開にぐいぐいひきこまれ、最後まで読んでしまうのがこの作者の不思議な力なんだな、と2作小説を読み終えてふと思う。
そうやってイライラ、うんざりさせられるってことは自分もどっかで反応しているからなんだよね、きっと。
自分の中にもきっとある、過去にも感じたことのある、女の気持ち、弱い人間。それが書いてあるから、嫌い、嫌いと言いながら、ついつい読んじゃうのか。
八日目の蝉
八日目の蝉角田 光代

中央公論新社 2007-03
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「八日目の蝉」
不倫相手の子供を見たい。ただ顔が見たかった。でも気づいたら赤ちゃんを抱えて走り出していた...。
愛する男性の子供を誘拐し、母親になりきり少女を育てる女のお話です。
それこそ、最初は身勝手な女に腹たってしょうがなかったのに、後半の展開に悲しくてせつなくて泣いてしまいました。
あんなに腹たって絶対共感できない、許せないこんな女、と思っていた主人公なのに最後には気持ちをおしはかってたりした自分に気づいて可笑しくなりました。気づけば登場人物の皆の気持ちに寄り添っていた。他人の境遇や心情に共感したり、同情したり、怒りを感じたり...平凡な日常で使っていない心のトレーニングができるのが小説を読む醍醐味なのかもしれないな~と思わせてくれた作品です。

森に眠る魚
森に眠る魚角田 光代

双葉社 2008-12-10
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「森に眠る魚」
東京都内の幼稚園で知り合う専業主婦たち。最初は意気投合して仲良くママ友を演じるも、子供の小学校受験がせまるにつれ、次第にぎくしゃくした関係になり...。
これもとてもリアルに感じられる女の世界。実際に起こった過去の事件を思い起こさせ、誰が?どうなる?って最初から最後まで釘付けでした。

しあわせのねだん
しあわせのねだん角田 光代

晶文社 2005-05-01
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「しあわせのねだん」は角田さんのお金の使い道についてのエッセイ。

角田光代の小説に共通するのは男性の不在。
主人公たちにはつきあっている人がいる、旦那がいる。でもどう見てもコミュニケーションが決定的に欠けている。
弱いと思われるるんじゃないか、煙たがられるのではと恐れて、気になっていることが言えない、聞けない。迷惑かけると嫌われるんじゃと本当は頼りたいのに頼れない。要は自分をさらけ出すのが恐く、一人相撲してるだけじゃん、この女、みたいな。そういうのがイラついてイラついて、きっと作者も同じようなタイプの女なんだわ、とか失礼ながら勝手なことを思ったりして、エッセイ読んでいても半分くらいは、やっぱり嫌いだ、この人~、ほら~子供の頃から偏食なのを堂々と自慢したり、甘やかされて育った自分本位の女だよ~やっぱりこういう人苦手そ~っな~んてそこかしこで思っていましたが...
後半のお母様との話にホロリ、とさせられ、使ったお金がその人を作るって話に妙にうなずき、最後には
共感して本を閉じてました。あれ~?こうしてまたきっと彼女の作品に手を伸ばしてしまうんだな~?そして女達にイライラする...(笑)
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告白/悪人

人を殺めてしまう人間は、根本的に何かどこか違うんだろうか。どうした経緯でそんな場所にたどり着いてしまったのか。
凶悪な犯罪ニュースを聞くたびに抱く疑問も、こうして犯罪者の心理を扱う小説を読むとますます考えさせられます。

4575236284告白
湊 かなえ
双葉社 2008-08-05

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「告白」は今年の国際映画祭に来ていましたが、見逃してしまいました。映画を見た友人がとてもよかったと言っていたので原作を図書館で借りて読んでみることに。誰が図書館に注文してくれるんだか、読みたいと思った本があってとっても有難いです。

中学教師が終業式の日に担任クラスの前でお別れの挨拶をする。今学期で辞職するのだとクラスの皆に告白する。娘を亡くしたプールでの事故が原因だけど、自分の過失だけなら辞職したりしない。辞職の理由は娘はこのクラスの誰かに殺されたからなのです!小説では、まずこの中学教師、それからクラスメート、犯人の母親、そして渦中の生徒そのものに語りをさせて、実際に何が起きたかを明らかにしてくれます。

これは最後がよかった。少年らの言いたい邦題の、うんざりするほど病んだ弱い心を覗いた後、最後の先生のけじめのつけ方がよかった。もちろん、いい悪いは別にして、フィクションだから受け入れられる結末ですが。

そしてこちら「悪人」はモントリオール国際映画祭で深津絵里が最優秀女優賞を取ったと聞いて、映画をぜひ見てみたい小説。
舞台が長崎、博多、佐賀などで、主人公たちの方言丸出しがよかったです。これは個人的に懐かしかった。。(私九州出身なので)
こちらも登場人物本人が語ると言うより、第3者の目で人々を眺めていきます。
出会い系サイトで知り合った女性を殺してしまった男性がまた別の女性に出会い恋に落ちてゆく…?
?にしたのは、どうも府に落ちない部分があったので。。純愛もの扱いされてたけど本当にそう?
日本の現代社会を投影させてると思わせる内容だけに、フィクションに思えないな~。殺人とは無縁でもこの小説に出てくるような人間達や人間関係を築いている人々って普通にいそうと思わせる。
こちらは最後が意味深でした。


402250272X悪人
吉田 修一
朝日新聞社 2007-04-06

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幻夜/片想い

図書館にある日本語の小説って限られてるので、なんでも好みのものが読めるわけではありません。でもだから色々選り好みせずに読んでみようかな。東野圭吾はすでに何冊か読んでますが、今のところはずれがないです。日本語も時にはまとめて読まないと、ますます貧相になってしまう気がして、半ば焦って半強制的にでも読むことにしました。英語の読書の間にこうやって1,2日で一気に読める日本語の小説をはさむと頭がほぐれていい感じです。
4087746682幻夜
東野 圭吾
集英社 2004-01-26

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1995年、阪神淡路大震災が静かな明け方の街を突然襲う。
倒壊した住宅街で、出会う二人の男女。ある秘密を共有し、東京で新たなスタートを切ることにするのだが…。「白夜行」の続編のようなもの、との理解で、全くの続き物という期待はせずに読みはじめました。登場人物も違うけれど似たような設定なんだろうなと。でも途中から異様な既視感にだんだんと居心地が悪くなってきました。この人間、私どこかで知ってる…。で、小説半ばから「そうに違いないあいつだ!」と分かってからは色々な辻褄があいすぎて最後まで空恐ろしい気持ちで読んでました。3作目にでも続きそうな感じですね。あの人物の将来が知りたいような、知りたくないような。ドラマ化されるみたいですが、こんな役演じきれる役者さんいるのかな。
「白夜行」の感想

4163198806片想い
東野 圭吾
文藝春秋 2001-03

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若かりし頃、ラグビー部で青春をともにした仲間たち。部員と女子マネージャーが30代になって再会する。ある部員は当時と別人になっていて、おまけにやっかいな事件にまきこまれており…。
「秘密」では母親が娘の身体に入り込んで、というありえないけど、想像したらせつなくてたまらない設定でした。「手紙」では犯罪者となった兄、犯罪者を兄に持つ弟だったし、東野作品では、自分の日常ではありえなかったり、社会で接点のない人物に感情移入させて読ませるのがうまいですね。社会問題に自然と目を向けさせるようにしくんである。この作品では性同一障害の問題を抱える人間がとりあげられてます。

「秘密」の感想

「手紙」の感想

ノルウェイの森


私の住む街で開催される国際映画祭で、毎年最低一本は日本映画を見ることにしてますが、今年は「ノルウェイの森」

村上作品に接するといつもそうですが、心の奥底に潜んでいる生の感情を揺さぶられる。


この映画を見ている間中、若者たちの心の痛みが自分にもじわじわ染み込んできて胸が痛くてしょうがなかった。
心に何か、小さなかすり傷をつけられるというか、日常では思い出せない感情のねじを緩められる、そんな映画です。何度も喉が熱くなって、涙がこぼれて困りました。

見終わったあとも旦那とこの痛みや主人公たちのことやら延々と語りあうことになりました。
じーんと心に残った感情を語り合える映画ってそうそうない。特にハリウッドの多くの薄っぺらの映画なんて。
こういうのを自分の中ではいい映画の基準にしてます。

原作と映画のギャップには最近不満だらけだったけれど、これはそんな不安をうまく裏切ってくれたかな。
菊池凛子の演じる直子は少~しだけイメージ違ったけれど、でも精神を少しずつ病んでく演技は迫真でした。
時代にあわせたファッションやセットもよく出来ていて、景色は美しく、視覚とともに感情にすごく訴えてくる映画です。
小説でもふんだんに出てくる性描写は、この若者たちのストーリーにかかせない部分だから、しっかり盛り込まれてました。会場内からもれる失笑?(特におばさんたちの「まーハレンチな!」的)に冷や冷やしましたが、どう受け止めるかは人それぞれだし私が心配する必要ないか。

村上春樹は大学の頃からずっと好きで、自分の学生時代以来は出版されてるものはほとんど出版と同時に読んでます。でも作品の感想を書こうと思うとなぜかとっても難しい。他人の解説を読んだり、内容を変に読み解こうとしているのを読むと、妙にしらけてしまう。小説を読んで感じたことはパーソナルなもので自分で感じて、そっとしまっておきたい感じがするからかな。

LOVE  日本映画!

いい日本映画が増えましたね~。
海外に住んでいると劇場で日本映画を見る機会というのが少ないですが、それでも映画祭なんかでチャンスがあれば見るようにしています。

ハリウッドの薄っぺらいエンターテイメント映画には本当に食傷気味。
夢、家族、人生、死といった普遍のテーマを扱うものにしんみりします。
それに日本の風景が懐かしくってたまりません。今年はもっと数増やしたいな。

心にじーんと染みたここ一年内に見た映画たち。

「おくりびと」はこちらの劇場でもひっそり公開されているので観に行きました。
死は自分の一部、日常の一部って当たり前のことにさりげなく気づかせてくれる。死は次の世界への門っていうのよかったな。この世の最期を厳かに、尊厳を持って取り扱ってくれる姿勢が美しかった。
B001Q2HNOWおくりびと [DVD]
本木雅弘, 広末涼子, 余 貴美子, 吉行和子, 滝田洋二郎
アミューズソフトエンタテインメント 2009-03-18

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「ぐるりのこと」は国際映画祭で見ました。心の痛みを分け合う夫婦の絆に心が温まります。
笑えて泣ける映画です。夫婦でどうぞ。
B001O6W9SUぐるりのこと。 [DVD]
木村多江, リリー・フランキー, 倍賞美津子, 寺島 進, 橋口亮輔
VAP,INC(VAP)(D) 2009-02-25

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「うどん」を見て、やおらダシ作ってうどん何度も作りました。家族や夢がテーマで見た後元気になれる映画。
B000LW7L40UDON スタンダード・エディション [DVD]
亀山千広 戸田山雅司
ポニーキャニオン 2007-03-07

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「三丁目の夕日」は私は一作目の方が好きだったけど、でもやっぱりいい~。
B0014IMRO4ALWAYS 続・三丁目の夕日[二作品収納版] [DVD]
吉岡秀隆, 堤真一, 小雪, 堀北真希, 山崎貴
バップ 2008-05-21

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日本映画に限らず、外国映画はいいものがいっぱい。
私はやっぱり劇場のスクリーンで集中してみるのが好きだな。どうも涙腺ゆるくって、涙流してばっかで恥ずかしいのですけれど。

手紙

4167110113手紙 (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋 2006-10

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両親を早くに亡くし、身寄りのない兄弟。
弟には大学を出て、まともな職について欲しいと願う兄が弟の幸せを祈るあまり、強盗殺人を犯してしまう。

物語は、殺人犯で実刑を受ける兄を持つ弟、直貴を主人公にすすみます。
殺人犯の家族ということで、社会的にどんな立場においやられるのか、ありありと現実をみせつけられ辛いのも確かですが、もともと兄弟が生きていた社会の底辺の実情も最近のニュースで見聞きする日本の社会とあいまって、現実味をおびて迫ってきます。

格差社会、犯罪者の家族に対する差別、と社会の現実を小説の中でくっきりと浮び上がらせ、
そこに人間としての感情(犯罪者、その家族、犯罪者をとりまく人々、そして被害者、その家族)色んな視点から深く考えさせられます。

兄が毎月送ってくる手紙が、純朴で、苦労を強いられる弟の人生とあまりに対照的で次第にせつなく苦しくなってきます。最期には事件にかかわった人々が一応一つの結論に達し、区切りをつけることになりますが、登場人物たちの人生はそこからも続くわけで、それに思いを馳せ、読了後も後をひく小説です。
東野圭吾の小説を読んで、胸に迫る、強い感情が胸にわきおこってきて泣いてしまったのは前回「秘密」を読んで2回目です。「秘密」とはまた違う悲しみですが、不条理さに心を強く揺さぶられるのは同じでした。

白夜行

4087474399白夜行 (集英社文庫)
東野 圭吾
集英社 2002-05

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昭和48年ごろ、オイルショックの影響が市民の生活にもおよびだしたころの大阪下町で殺人事件が起きる。
殺されたのは質屋の主人。関係者のアリバイを洗いざらい調べ、犯人と思われる人物をつきとめるも、結局は解決しないままに終わってしまう。

この本を原作にしたドラマがあるのも知らなかったし、あらすじさえ読まずに読書を始めたので、
出だしを読んでいての感想は、よくある愛人関係がもつれた殺人事件で、一瞬、これも短編じゃないよね?と本のカバーをチェックして、目次を探してしまうくらいでした。
ところが、時代が移り、登場人物が増え、どんどん深い話に展開していくではありませんか。

しかし最初の事件が全てのスタートです。中心にいるのは関わった家庭の小学生の男女。

読み進み真相が次第に分かるにつれ、人間の心の闇の深さ、それがいかに人生の早い時期に一生を決定づけるほどの大きな意味を持つのか、恐ろしさを感じました。
最後に一応話は完結するけれど、ある人物のその先が知りたくて仕方がない。


読み出したらとまらなくなって結局2時くらいまで夜更かししちゃって読み通し、今日は職場で眠いこと、眠いこと。平日にはまってしまう本を読むのは自粛しようと思います。。。

第三の時効

4087460193第三の時効 (集英社文庫)
横山 秀夫
集英社 2006-03-17

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短編集なのですが、全体としては同じ県警捜査課内部で取り扱う事件の話で連作になっています。
メインの登場人物が入れ替わり立ち代りしますが、そこから逆に署内の対立や嫉妬、出世ゲームとかそんな部分が見えてきます。
殺人事件の謎解きも見事ですが、そういう内部事情が面白かったです。

仕事に誇りを持つ一流の刑事たちは「渋すぎる」の一言。
それぞれに過去に傷があったり、犯人を挙げることに関しての執着は尋常でないものがあります。
女性と言えば、殺された妻とか犯人の愛人くらい(笑)で、あくまで男の世界!

2週続けて日本の小説を読んで、最近どんなに日本語を読んでなかったに気づきました。気軽に手に取れるミステリーでも、週に1冊くらいは日本の小説を一気読みするのも必要かもしれない、と思ってるところです。

秘密

4167110067秘密 (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋 2001-05

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スキー場行きのバスが転落し、妻を失う夫。奇跡的に意識を取り戻した12歳の娘の身体には妻の魂が宿っていた!

12歳とは思えないセリフを吐いたりして、最初は周りをギョッとさせたりするけれど、36歳の妻は次第に、10代の少女としての役割を上手にこなしていきます。

奇妙な生活を続けるも、次第に思春期に入り、高校へ進み、若く希望ある毎日を送る妻に嫉妬を感じて仕方ない夫。

魂は夫と妻、でも肉体は父と娘。どうしようもない壁が二人の間にたちはだかります。
ある時点からこの先どこへもたどり着けないと判断した夫婦が下した決断とは・・・。

終盤は、悲しくて、せつなくて泣けてしょうがなかったです。
事故で愛する者を亡くすのはもちろんつらいことですが、この小説の喪失はもっと深くて、悲しくて複雑なものです。愛の形態はいろんな形で存在するといえば、そうだし、愛するものが幸せな道を選ぶといえばそうかもしれないけれど・・・最後にはやっぱりやるせない、悲しい、もどかしい気持ちが残りました。この家族に起こった出来事のことを時々思い出しては、あれこれ考えてしまいそうです。

こういう日本の小説も図書館にあるのです。今回はたまたま日本の雑誌で東野圭吾の特集を読んで気になり、別の図書館から取り寄せて読んでみました。
日本の小説読むの、多分半年ぶりくらいだけど、爽快!でした。没頭して一気に数時間で読み終われる快感は久しぶり。面白かったです。
プロフィール

Hazel

  • Author:Hazel
  • カナダ発 気ままな読書日記です。
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